楽園のカンヴァス

楽園のカンヴァス

2021年7月24日

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「楽園のカンヴァス」 原田マハ 新潮社

山本周五郎賞受賞作。なんと、原田宗典の妹さんなんですって。この本は夫からのおすすめ。受賞する前にゲットしていたので「先見の明でしょ」と威張ってはった。いや、その前から書評でほめられてましたけど。

ルソーの絵にまつわるミステリ。私の嫌いな[人の死ぬミステリ]じゃないので、安心して読めました。

ルソーって好きなのよね。でも、ちゃんと見たことはあんまりなかった。これを読んだら、ルソーを見に行きたくなっちゃった。

ルソーのとある絵をめぐる、美術館のキュレーターの対決がストーリーの中心。主人公の女性がちゃんと描けてないかも、と読み終えてから、夫とちょっとディベートしました。絵の話が書きたかったんだろうけれど、人物の書き込みが、ちょっと物足りないかな。でも、こういう分野、絵をめぐる謎解きは、とても面白い。

マハさんの他の作品も読みたくなりました。

そういえば、私の好きな辺境作家の高野秀行さんがこの方と対談して、あまりの面白さに五時間ノンストップで話し続けたんだそうです。本来なら、高野さんが対談できるような相手ではないのだけれど、受賞前に対談が決まっていたお陰で会えたんだって得意がってらしたのが、夫と同じで、笑えました。

2012/6/2