現代児童文学作家対談8

現代児童文学作家対談8

2021年7月24日

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「現代児童文学作家対談8 岡田淳 斉藤洋 皿海達哉」

インタビューア 神宮輝夫 偕成社

「図工準備室の窓から」と一緒に紹介してもらったのが、この本。ランサムの本を翻訳された児童文学者、神宮輝夫さんが現代の児童文学作家と対談したものをまとめた本のひとつだ。

人知れず(というか私が知らなかっただけかもしれないけれど)神宮先生は貴重なお仕事をなさっているなあと感動。いろいろな作家と丁寧に時間をかけて対談し、かつ、本人作成の年譜、作品目録に研究文献目録までついていて、その作家について知りたければ、まずこれを読めば基本は押さえられる詳細な資料になっている。

岡田淳は面白いよ。対談もいいし、年譜を読むだけで十分笑える。いいやつだなあ、岡田淳。

岡田先生は月曜日の給食の時間の放送を担当していて、その日には子どもたちに向けて短いお話をすることになっていた。そこから生まれたのが、彼の短編の数々だ。日曜日の晩はそりゃもう大変で、月曜日がお休みの日はほんとうに嬉しかった、というけれど。目の前の子どもたちの反応をリアルに感じ取りながら、彼の物語は創りだされていったのだなあと改めて思う。

岡田さんは「ぼのぼの」が好きだなんだそうだ。まだ読んでない、知らないという神宮さんが悔しがって「動物のお医者さん」が面白いと言い返し、知らないと岡田さんに言わせていたのがおかしかった。

「ルドルフとイッパイアッテナ」の斉藤さんの対談も、なかなか面白かった。児童文学の好きな人なら、これ、読んでも損はないかも。

2014/12/12