田舎暮らしはじめました

田舎暮らしはじめました

2021年7月24日

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「田舎暮らしはじめました~うちの家賃は五千円~」
グレゴリ青山   メディアファクトリー

「ねうちもん京都」のグレゴリ青山の本です。2009年。読み落としていたのを発見して、慌てて購入。グレゴリ青山は、我が家では、一応、全部おさえておきたい作家です。

しぶちん京都人であるグ〈グレゴリ青山のことね。)は、東京で家賃九万円を毎月支払うことに大いなるストレスを抱いていて、ある時、マンガなら田舎でも描けるし、もっと田舎に暮らそうか、と夫に持ちかける。そこでその気になった夫が全国あちこちの田舎に、余ってる家屋、住める家はありませんかと手紙を出す。律儀に「ありません」というお返事がたくさん来るのだが、二年後に「あります」と言ってきたのが、和歌山のとある田舎。

バス、トイレ付き3DKプラス二階の部屋がある母屋、軽く300坪はある畑に離れが一軒、牛小屋が一軒ついて、家賃は五千円。おおお~、借ります!というわけで、移住を決意。そこから、引越し、近所との関係、そこでの暮らしが描かれていく。そりゃもう、濃ゆい暮らしが。

いじめられたり、嫌な思いをしたわけではない。様々に有意義な体験を経て、彼らは四年後に、もうちょっと都会な田舎へ引っ越す。理由はいろいろあるが、とにかく、やっぱり、そこまで田舎だと、マンガの注文が来なくなるのよね、これは死活問題。

それにしても、田舎の暮らしはやっぱり豊かだ、と読んでいて思う。豊かなだけじゃなくて、足りないものもたくさんあるし、きっと辛くなるだろうとも思うのだけど。寒いのと寂しいのは嫌いだからね、わたし。

畑で野菜を作り、花を咲かせ、四季をダイナミックに味わう暮らし。若い頃に四年程度ならやっても良かったかなー、とも思う。

2012/7/8