159
「真実の一〇メートル手前」 米澤穂信 東京創元社
「氷菓」の米澤穂信である。フリージャーナリスト大刀洗万智を主人公に、いくつかの事件を集めた短編集。死人がでてこないわけではないが、それほどグロではないので、私でも読めるミステリだ。
大刀洗真知はなかなかかっこいい。愛想はないが、切れ者だし、情深くもある。鋭い視点を持ちながら、立場をわきまえてもいる。理想じゃん。
娘が、「凄いなあ、と思うけど、でもそれってこの人が書いたものだからね。」と言った。そうだね。作り物だから、作者の思いのままに人物像も、推理もできるわけだけどね。出来すぎ、と思わせてしまった点が、ちょっとあったということなのかもしれない。
2017/1/28