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「私がオバさんになったよ」ジェーン・スー 幻冬舎
以前に対談したことがある人と、そのときに設定されたテーマ以外でもう少し語り合いたかった、と思う人と語り直した対談集。ただし、最後の対談相手、能町みね子とは初対談である。一度話してみたかったので、あえてお願いしたそうだ。対談相手は以下のメンバー。
光浦靖子、山内マリコ、中野信子、田中俊之、海野つなみ、宇多丸、酒井順子、能町みね子。
ジェーン・スーは賢い女性である。対談相手もだいたいインテリジェンスに富んだ人が選ばれているので、話の内容は、賢い人達の賢い話である。なんて書くとシニカルに読めるかしら。批判しているわけじゃなくて、頭でっかちの人間が、頭でっかちにしか生きられないということを、改めて目の辺りにするという感覚なのである。ごめん、私も頭でっかち族だし。って書いちゃうあたりが傲慢？
最後の能町さんとのすれ違いっぷりはなかなか楽しい。ジェーン・スーと能町みね子の共通性がなかなか見いだせないのだ。ところが、最後に、どちらも主夫役をつとめる「おじさん」と同居生活を送っている、という点で一気に一致する。通常なら妻が夫に言うような小言やぐちをぶつけられること、こちらも気がつくとサラリーマン夫のような受け答えになっていることの発見に盛り上がるのである。これはなかなか興味深い部分であった。
2020/1/14