飛鳥自転車紀行1

飛鳥自転車紀行1

2021年7月24日

九月の話です。せっかくの三連休だというのに、おちびは毎日お弁当を持って部活に行きます。つまんないので、我々夫婦は飛鳥に行くことにしました。

「古代ロマン飛鳥日帰りきっぷ」2200円也で最寄りの駅から飛鳥まで往復、さらにはレンタサイクルも400円割引になるというので、張り切って駅で購入を申し出たら、ここにはないから、西宮北口まで行ってね、と言われます。きっぷは買わなくていいから乗っちゃって、乗っちゃって、って。いいのか、そんな適当で?ってか、ネットじゃ、どの駅でも売ってるって書いてなかったっけか?

疑問に思いながら、西宮北口まで行くと、何の問題もなく買えました。めったに買う人がいないらしくて、駅員さんが引き出しを引っ掻き回して探しまくっていたのを別にすれば、ですが。

梅田から天王寺を経て、近鉄に乗り込みます。結構混んでるけど、始発だから座れて良かった、良かった。飛鳥まで、しばし読書を楽しみます。

飛鳥駅到着。こんなに小さな駅だったっけ?前に来たのは、きゃー、数えてみたら、30年ほど前だったわ。ついこの間のような気がしてたのに。

駅から一番近いレンタサイクル屋さんはやたら混んでいるので、ちょっと離れたところへ向かいます。空いてると思ったのに、我々の前のおばちゃんのグループが、何やらもめています。

電話で予約したとボスらしきおばちゃんが威張っています。いや、予約しなくたって、客、これしかいないし・・と思っていたら、ライトアップの時間まで借りられるわよね、とまくしたてています。店主が、いや、うちの自転車はライトが付いてないので、夜は無理なんすよね、というと、いや、電話で確かに夜まで大丈夫だと言った、男の人と話した、返し方まで教わった、と言い募っています。

うちの店の男は私一人だけど、そんな電話は受けていない、あっちの〇〇さんの自転車にはライトがついているし夜まで営業してるから、あっちと間違ったんじゃないですか、と店主がおずおず話しても、いや、間違いなくここだ、夜まで借りる、と言いはっています。早くしてくれよ・・・・。

ようやく諦めて、夜まで営業しているらしきお店の方へおばちゃんたちが移動したので、やっと我々も自転車を借ります。銀色のチャリ。地図をもらって、最初にコンビニへ。ここで、おにぎりとお茶を買い込みます。

最初に向かったのは高松塚古墳。もう壁画は公開していないのよね。公開してるうちに来たかったな。でも、公開しちゃったから、いたんじゃんったんだよねえ、なんて話しながら、到着。高松塚古墳はきれいな円墳です。

そこから、文武陵まで歩きます。なんという事はない緑の生い茂った場所ですが、空気が澄んで空は明るく晴れて、気持ちがいいことこの上ありません。

壁画館に入って、壁画と副葬品を見学します。有名なのは女子群像だけど、ほかにも男子群像や白虎、青龍なんかもいるのねえ。こんなに綺麗な絵が残っていたなんて・・・。

また、自転車に乗って、今度は亀石。本当に亀の形をしていて、なんだか、可愛い。

年配のご夫婦らしきお二人が、そこを通り様に
「何、これ。」
「亀石だよ。亀の形してる。写真、撮る?」
「そんなもん、ふん。」
亀石、聞いてたら怒りそうです。いやおばさん、これ、結構有名ですってば。と、我々は小声で言い合いながら、写真を撮ってました。

次は橘寺へ。聖徳太子がお生まれになったお寺だそうです。入り口で自転車を止め、長い砂利道を通って橘寺まで歩きます。彼岸花がとても美しい道です。

聖徳太子像があるんですが、これって室町の作だって言うから、聖徳太子のホントの顔じゃないじゃん、なんて文句をいう私。いや、そんなこと言ったら何でもそうでしょ、と夫。

二面石という石があって人の心の善悪二相を表しているそうです。右が善で左が悪なんだって。じゃあ、私、右に立つから写真撮って、あなた左ね。と言ったのですが、よく考えてみて。右に私が立って左から夫がカメラを構えたら、左側(悪)と私が写り、左に夫が立って右から私がカメラを構えたら、右側(善)と夫が写ります。あれ?あれ?

歴史愛好会か何かの集まりでしょうか、五重塔跡に十数人の人が集まっていて、どなたか先生が熱心に説明をされています。そうっと聞き耳を立てて、一緒に聞いてみたりもします。

休憩所があったので、そこでおにぎりを食べて一休み。愛好会の皆さんも、ぞろぞろやってきて、昼食タイムです。飛鳥検定試験があって、合格すると官位がもらえます、申し込みは20日までだと500円引きだったんですが、月末まで延長します、当日でも飛鳥駅前で受付可、私が試験官ですから、難しくないですよー、なんて担当の先生が話しているのが聞こえました。

2011/9/28