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「鼻に挟み撃ち 他三編」いとうせいこう 集英社
表題作は、正直いって、なんだかわかんない。モチーフになっているゴーゴリの「鼻」を知らないから、そのせいなのかもしれないけれど、いや、知っていたら、わかるのか？？？と疑問に思う。
マスクしている男が御茶ノ水の聖橋で演説しているところから始まるのだけど、どんどん場所も視点も語り手も変わっていく。ついていくのが大変。
じゃあ、つまんないのかというと、実はそうではなくて、わけわかんないのに妙に面白い。途中、明らかにいとうせいこう自身が登場して、大竹まことと話し合ったりするところなど、へー、そんなことあったんだ！と、そのまんま感心してしまったりして。
表題作以外も面白い。最初の「今井さん」は凄くリアルに分かる話だったし、「私が描いた人は」は、舞台が、私もよく知っている場所だったために、くっきりわかってしまった。学部校舎横のイチョウの木の下、なんて書かれると、もう、そのまんま映像が浮かんだ。懐かしかった。
でも、ちゃんと感想がまとめられない。よくわかんないけど、面白い小説、としか。
2014/7/13