読書

遠慮深いうたた寝

10 小川洋子 河出書房新社 「掌に眠る舞台」以来の小川洋子。これは小説じゃなくてエッセイなので、小説の中では摩訶不思議な世界が広がる小川洋子さんも、さすがに…

読書

よって件のごとし

9 宮部みゆき 角川書店 「魂手形」の続編。三島屋変調百物語としては八巻目。江戸は神田の袋物屋の三島屋で行われている、語って語り捨て、聞いて聞き捨ての百物語。…

読書

小説家の一日

7 井上荒野 文芸春秋 「生皮」以来の井上荒野。しゃれた表紙だわ。翻訳作品みたい。短編が十個入っていて、それぞれに面白い。ありふれたシチュエーションのようで、…

読書

諦念後 男の老後の大問題

6 小田嶋隆 亜紀書房 昨年六月に病気で亡くなった小田嶋隆のエッセイ。定年を迎えた男たちがどこに身を置き、何をし、どんな心持ちで居ればいいのかを身をもって実現…

読書

天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い

5 中村哲 NHK出版 昨年末、夫が大阪の会合に出席した。見たいと思っていた映画がたまたまその時大阪でやっていたので、新幹線の時間を睨みながら見てきた、良かっ…

読書

うろん紀行

4 わかしょ文庫 代わりに読む人 なんだこれ、と最初に思った。「わかしょ文庫」が発行所かと思ったら著者名で、「代わりに読む人」が著者名じゃなくて発行所名だった…

旅行記

飛び立つ季節

3 沢木耕太郎 新潮社 「旅のつばくろ」の続編となる本。前作と同じようにJR東海の「トランヴェール」という車内誌に連載されていた旅のエッセイをまとめたものであ…

読書

アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険

2 宮田珠己 大福書林 宮田珠己は新刊を出したら即買いの作家のひとりである。この本も出版されてすぐに購入した。図書館の本には期限があるが、購入本は永遠に手元に…

読書

夏日狂想

1 窪美澄 新潮社 窪美澄は「朔が満ちる」以来である。この作品は、中原中也(作中では水本正太郎)と小林秀雄(作中では片岡武雄)が奪い合った女性がモデルとなって…