12 羽海野チカ 白泉社
ずっと読んできた漫画なのだが、TSUTAYAでいつも借りていた。引越してからTSUTAYAが遠くなってしまってチェックが遅れたら、知らないうちに新刊が出ていた。夫が気がついてネット購入。
本が増えて置き場所に困るのだから、電子書籍にすればいい。それは知っている。でも、どうしてもネットで読むと、なぜか記憶に残らない。私が前時代的なのだ。知ってる。でも、どうしても、駄目。この漫画も少し前に読了していたのに感想を書くのを忘れていた。夫に指摘されて気がついた。そうだ、画面上で読んでも読書は読書だ。どうも、なあ。
さて。若き棋士、桐山零は、ついにひなたちゃんに愛を告げる。いいシーンだ。もうとっくに伝えていたつもりになっているあたりが、実に、いい。二人のほんわかとした幸せ。でも、対局は厳しい。その中で、零の父親や、対局相手のエピソードが挟まれる。将棋漫画だが、あくまでも人間ドラマなのだ。
何かを極める人間は、辛く厳しい場面に放り出されるけれど、その背景に、彼を支える温かい人間関係があるのね。こういう、人を信じる気持ちが根底にある漫画は、ほっとする。間を埋める先崎学のエッセイも元気に続いていて、良かったよかった。先ちゃんも元気にやっているのね。