76「うさぎのまじっく」せなけいこ 鈴木出版
77「いじわる」せなけいこ 鈴木出版
78「およげないさかな」せなけいこ ポプラ社
ご近所の図書館で、数ヶ月に一度、子供の本に関わる読書会に参加している。次回のテーマは、せなけいこである。
せなけいこは、26歳の息子がまだ小さな頃、「おばけのてんぷら」で泣き出してしまって以来、鬼門である。私は笑いながら読んでいたのだが、気が付くと息子は泣いていた。自分がてんぷらにされる恐怖に襲われたらしい。以来、我が家じゃせなけいこは読み聞かせに選ばずに来てしまった。「ねないこだれだ」も臆病者の息子は絶対怖がると思ってチョイスできなかったのを覚えている。
そんなわけで、私はちょっとした「せなけいこバージン」である。で、今さらながら図書館の絵本室で何冊か読んでみた。
「うさぎのまじっく」は、マジシャンに帽子から取り出される役のうさぎが、いつもあいつばっかり褒められやがって、と頑張って勉強してマジックを覚え、マジシャンを人参に変えちゃうのである。ところが、元に戻せなくって号泣。魔法の杖を放り出したら元通りになって、それからは、うさぎは帽子から取り出されるだけじゃなくて、マジシャンを人参に帰るマジックも舞台で披露するようになるというわけ。
「いじわる」は意地悪な気持ちはいろんな人に伝染しちゃうから、いつもにこにこ笑っていたいね、というシンプルな話。
「およげないさかな」はなんと泳げない魚がいて、スイミング教室で泳ぎを習うという斬新なストーリー。珍しがって見物していたねこが水に落ちて溺れそうなのを見事に魚が助けるのである。
せなけいこは、ちょっと怖い。臆病者の息子がビクッとするようなところをどんな本でもつついてくる。それはきっと殆どの子供には魅力的なんだろう。だけど怖がる子もいるんだよなー。
それにしても、魚が泳げないって。ちょっと無理があると思ってしまった私である。まあ、そんな強引なこともちゃんと絵本にしちゃうせなけいこ、あっぱれ、とも思うが。
2016/9/12