おちびは大きくなりたい

2021年7月24日

息子が先日、18歳になりました。
あの、怖がりで、いつまでも歩き出さなかった、「おかあしゃん、大丈夫だよね?」ばかり言っていた、ちっちゃな男の子が、いつのまにか、18歳!

好日山荘で、緑色のかっこいいザックを買ってやり、お気に入りの「かつくら」で大海老とロースカツをもりもり食べさせました。それから、Z会の夏季講習に奴は行ってしまい、おちびと2人でぶらぶらと帰っていたら、「おにいはいいな。」ですって。
「誕生日が早くて、いいな。」

おちびに、幼稚園のころ、「何でお兄ちゃんだけ早く大きくなるの?」と怒りを込めて言われたことがあります。
別にお兄ちゃんは早く大きくなったわけではないのよ。
あなたと同じように時間をかけて大きくなったのよ。
と説明しても、「そんなことない。おちびが気がついたときには、お兄ちゃんはもう大きかった!」と。

さすがに今は、おにいだけ成長スピードが速いとは思っていないみたいですが。でも、誕生日が早いって?自分は12月生まれなのに、おにいは8月生まれだから?

まあ、ねえ。同学年のお友達と比べると、どうしても、おちびは誕生日が遅くなりますが、一年はぐるぐる回っているので、家族の誕生日では、誰が早いとか遅いとか言えないんじゃないかしら。
おにいの誕生日が終わってしまったので、今度は、おちびの誕生日が一番早く来るんだよ。
と言っても、「そんなことない!おちびは遅い!」と怒ってます。

大きくなりたいんです。
年齢も、背も、体格も。
やせっぽっちで、おちびで、クラスでも、前から何番目かな、かなり小さいです。お友達と話をする時に、上を向かねばならないのが、悔しいらしいです。高い所にあるものを取れなくて、人に頼むのが屈辱みたいです。背が低いので、見えないものがあるのが、許せないそうです。

夏休みに入って、おちびは毎日、柱にしるしをつけて背を測ります。ところが、時々、減っちゃうことがあるんですね。前日に、厚めの靴下を履いたとか、ちょっと願望が大きくて、すこーしだけ、かかとを浮かしてしまったとか、まあ、いろんな理由があるんでしょうけれど。
「ちぢんだ!」と、そりゃもう、悲嘆にくれます。

ちゃんと寝ないと大きくなれないよ、ちゃんと食べないと大きくなれないよ。と言われるので、夜も早めに寝るし、好き嫌いもあんまり言いません。でも、量はあんまり食べられない。お菓子もあんまり好きじゃないし、甘いジュースより、お茶を好むようなタイプです。それで、走り回ってるから、やせぽっちです。

「大きくなりたい!なんでこんなにちっちゃいの?」
おちびは真剣です。
そんなに急いで大きくならないくて、いいんだよ。
おちびは、おちびにちょうどいい大きさなんだと思うよ。
お母さんは、今のおちびが、ちょうど良くて好きだけどな。
毎日のように、言って聞かせますが、「違う!大きくなりたい!」と、はっきり、反論されます。

子どもって大きくなりたいんですね。
大きくなるのは、絶対的に、いいことなんですね。
大きくなることへの切望が、なんだかまぶしいような気がする私です。

もう、大きくならなくてもいいような気がするサワキです。

2008/8/21