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「それしかないわけないでしょう」ヨシタケシンスケ 白泉社
ヨシタケシンスケキャンペーン続行中である。
お兄ちゃんに、未来は大変なことばっかりだと教えられた妹が、それしかないわけ無いでしょう、と、もっと大変じゃない、楽しくて明るい未来を想像する。きわめてポジティブで前向きな絵本である。病床にあるおばあちゃんが笑顔になるのもうれしい。元気な絵本だ。
世の中には悲観主義の人がいて、何があっても悪い方へ、悪い方へと想像を寄せて、こうなったら困る、ああなったらどうしようと日がな一日悩んでいる。けれど、物事はなるようにしかならないし、今、現時点で困っていないのなら、本当に困った時、困ったことが目の前に起きてから、困ればいい。まだ困っていないのに、「困ったらどうしよう」と困るのは、非常にムダでもったいないことである。・・・と、私はよく夫に諭される。そして、そのとおりだな、と思う。おかげで私の悲観主義はかなり修正された。
この絵本も、それと同じである。それしかないわけない。もっといい未来だって待っている。こうなればいいな、こうしたいな、と思う気持ちは大切だ。もちろん、現実は厳然としてここにあるけれどね。ということを、ちゃんと見せてくれる。大人も元気になれる本かもしれない。
2020/10/14