ていだん

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2021年7月24日

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「ていだん」小林聡美 中央公論新社

 

鼎談(ていだん)とは、三人が向かい合って話をすること。この本は、小林聡美が「婦人公論」の連載上で、二人のゲストを招いて行った鼎談の記録である。
 
小林聡美は子役の頃から好き。「かもめ食堂」なんてものすごく良かった。賢くて、お茶目で、明るくて、でも、深い思考もあって、自立した強さもある。いわゆる美人さんじゃないけど、内面からきれいなオーラが滲み出ている。この鼎談は、そんな彼女の良さがとても出ているものだった。
 
ゲストの人選も良くて、全然知らない人も多かったけれど、それぞれにちゃんと選んで、自分の道を歩んでいる人ばかりだ。なるほど、林聡美と仲良くなりそうな人たちだなあ、と思う。
 
なんでもない話の中に、いい言葉がたくさん転がっている。
 
「こうしなければ」ではなくて、自分にとって居心地の良い状態でいるのが一番いいんじゃないでしょうか。(小林聡美)
 
何かをしてあげる人とされる人の関係って、いつも「してあげる」だけじゃなくて、ちゃんとその人もいただいているんですよね、 (白幡眞生)
 
(引用は「ていだん」小林聡美 より)
 
食べ物を大事にしたり、動物を大事にしたり、堂々と生きることを目指したり。しっかりと自分の人生を生き王としている小林聡美が、素敵だと思った。

2018/10/10