むらさきのスカートの女

むらさきのスカートの女

2021年7月24日

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「むらさきのスカートの女」今村夏子 朝日新聞出版

第161回芥川賞受賞作だって。今村夏子ってどこかで読んだことあったなあ、と調べてみたら、あった、あった。「星の子」の人でありました。あれも不思議な小説ではあったなあ。悪い人じゃない、ただ普通じゃないというか常軌を逸脱した人が、一生懸命生きている、そんな話という点では一致しているものがある。

むらさきのスカートの女を常に追いかけている人がいて、彼女は黄色いカーディガンの女である。この二人を中心に物語は展開する。「星の子」同様、ものすごく変だけど、本人は変だとは全然思っていない。でも、人なんてみんな多かれ少なかれ、そういうところはあるよなあ、と思う。

これからどうなる、どうなる、と結構引っ張られて一気に読んだ。読み終えて、うーむ、とは思ったが。これが芥川賞か。芥川賞って一体何。とちょっと思うね。人間の真実をえぐっているのか、これ。そうなのか。

2020/2/17