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「キネマの神様」原田マハ 文藝春秋
夫のおすすめ本。「楽園のカンヴァス」よりは「旅屋おかえり」のテイストが強い。つまり、じんわりと暖かくなるような物語。
ギャンブル依存症、借金癖、失業、ひきこもり、中小店舗の倒産、映画の衰退・・・。現代の深刻な問題をことごとく取り上げて、それをこんな風に前向きにしちゃいました、というお伽話みたいな物語だ。ファンタジーだわ。
そんなにうまくいくかよっ的ストーリーなのに、ちゃんと読ませてしまうのは、やっぱり上手だからなんだと思う。いいお話だ。これって、文章に力がないと成り立たない物語だからね。
それにしても、場末の普通のおじいさんが書いたブログがこんなふうになっていくというお話は、ちっちゃな読書ブログを書いているおばちゃんにも楽しい展開ではあるわけで。夢みたいなお話だわ、とほのぼのしましたとさ。
2015/1/22