哲学用語図鑑

哲学用語図鑑

2021年7月24日

34

「哲学用語図鑑」田中正人 プレジデント社

 

その昔、世界史を放棄したのは、カタカナが苦手だったからだ。最近、世界史を学び直しはじめたら、ものすごく風通しが良くなった。苦手なカタカナもちょっとだけわかるようになってきた。まだ古代ローマあたりをウロウロしているだけだが、そこらをおさらいするだけでも、いわゆる古典文学や美術、思想哲学といったものの源泉が見えてくる。なるほど、ここから来たのか!と目から鱗が落ちまくるのである。(もっと早くに勉強しておけばよかったなあ・・・。)
 
さて、「哲学用語図鑑」だが。夫が、子供向けなのに、たいそう面白いよ、と持ってきてくれた本だ。これがわかりやすくて面白い。
 
たとえば最初のページには、古代の哲学者の年表があり、そこを開くとミレトスのタレス、ピタゴラス、ヘラクレイトス、パルメニデスが見開きで、それぞれの生年を書いた台の上に立っている。右手には、例えばタレスなら水の入った瓶、ピタゴラスなら三角定規、ヘラクレイトスなら火のついた松明、などを持ち、左手にはそれぞれの国旗をもっている。そして、それぞれが「万物の根源は水である」「知られているあらゆることに数がある」などとしゃべっている。その下には五行ほどの簡潔な解説。人物紹介のページが終わるとそれぞれの思想の解説ページが続く。どれもが親しみやすいイラストを駆使してわかりやすく説明されている。
 
これはたのしいなあ。倫社の勉強中の学生たちにも便利かもしれない。一冊持っていたら、倫社にも世界史にも文学にも役に立ちそう。パーっと読んで終わらせるような本ではない。まあ、図鑑だからね。

2015/6/22