ものは言いよう

ものは言いよう

2021年7月24日

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「ものは言いよう」ヨシタケシンスケ MOE編集部 編 白泉社

ヨシタケシンスケを全部読むキャンペーン続行中だが、これは、なんというか、ヨシタケシンスケファンブックみたいなものかな、と思ったらちょっと気持ちが冷めたかも。

ヨシタケシンスケってどんな人?というのがこの本のテーマだからね。といってもやっぱりヨシタケシンスケだからアイドルとファンのきゃあきゃあいう関係性になるわけもなく。細かい細かいヨシタケシンスケの自虐イラスト満載で、ちょっとネガティブで、闇を抱えながらも、絵本作家として自己確立にそれなりに自負を持つ等身大のヨシタケシンスケさんを紹介する本にはちゃんとなっているんだが。

代官山の蔦屋で本を買う、という章は、なかなかセンスのある選本で楽しい。学生時代に好きだった本が「ドーナッツブックス」「ぼのぼの」「るきさん」って、私と同じじゃ~ん、とは思いましたね。いしいひさいちの若い頃の作品、大好きで全部読んでたもんなあ。わかるわ、ヨシタケシンスケの脱力感、同じものを感じるから。

神奈川県立こども医療センターにヨシタケさんの作品がいっぱいあるとは知らなんだ。お母様がボランティアをやっていらした関係だそうだけれど、こういうのは、いいなあ。子どもたち、嬉しいだろうなあ。

絵本作家としてやっていけるようになっても全然安心はできなくて、でも四六時中悩んでいるわけでもなく二週間に一度、五分間くらいはポジティブな気持ちになることもあるけれど、そういう時も「あ、これはあと三分くらいしか続かない・・」とわかっていて、本当に三分後にはそんな気持ちは消えているんだそうだ(笑)。

紺色のシャツにジーンズ、長袖だったり半袖だったり、そして頭は坊主。一年中同じ格好しかしないのは、迷わないで済むのが楽だからそうです。そういえば、千原ジュニアも一時期、白いTシャツにジーンズと決めてそれだけだった時期があるなあ。まあ、楽ってのはわかる。

ここまで面白がってもらえて、もう本当に悔いはないです。願わくば、今後も絵本の世界に少しでも長くいたいので、なるべく目立ちすぎないようにしたいですね。
                  (引用は「ものは言いよう」ヨシタケシンスケ より)

ってのは、本当にヨシタケシンスケらしい言葉だと思った。
2021/1/18