サワコの朝

サワコの朝

2021年7月24日

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「サワコの朝」阿川佐和子 大和書房

 

2011年10月からMBS系列で土曜日の朝に放送されている「サワコの朝」という番組の中から七人のゲストのトークを選んで文字収録したもの。ちなみに、私は番組の方は全く見たことがない。まえがきに、番組を見たことがある人も、ない人もどうぞ、みたいなことが書いてあって、それじゃお邪魔しますってんで読んでみた。
 
番組では、幾つかの椅子を用意してあって、まずゲストは自分が座る椅子を選ぶらしい。それからゲストの「過去の思い出の曲」と「今、気に入っている曲」の二曲を流すという。なかなか面白い仕掛けだと思った。
 
週刊文春の方の阿川佐和子の対談は、結構な率で読んでいて、この人の聴く力の凄さは知っている。でも、この本は文春とはまたちょっと違っていて、あんまり深くつっこんだり掘り下げたりしているわけではない。そのかわり、楽しい雰囲気が常に持続されている感じがある。テレビだからなー。
 
松井秀喜、マツコ・デラックス、浜口京子、所ジョージ、真矢ミキ、中村メイコ、ビートたけしって、メンバーは結構すごい。
 
松井は今ニューヨーク暮らしが中心で、定職は何もないんですってのには驚いた。ニューヨーク・ニートなのか。息子とキャッチボールが楽しみって・・お父さん、何やってる人なんだろうって息子は思わないんだろうか。
 
マツコ・デラックスは、自分に対して何も問わない、そして家を巧みに追い出した両親を「よくやった、あの両親。本当に立派な両親。本当に。」と評していて、そこを読む時なんだか泣きそうになった。
 
中村メイコに寄れば、永六輔の「上を向いて歩こう」は、永さんが中村メイコのことが大好きだったんだけど、高津さんと結婚する、とふられて帰る時、「上を向いて帰りなよ、涙がこぼれないようにね」とメイコのお父さんに言われたのが元になってるんだそうだ。本当かなあ。死んじゃったら言い返せないもんねえ。
 
と、いくつか発見のある本だった。阿川佐和子の対談、やっぱり生で見たほうが楽しいかなあ。
 
 

2016/11/8