ザッツ・ア・プレンティー

ザッツ・ア・プレンティー

2021年7月24日

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「ザッツ・ア・プレンティー」松岡弓子 亜紀書房

立川談志の最後の八ヶ月間の看病、介護の記録。お嬢さんである松岡弓子さんの日記の書籍化。談志が亡くなってから一ヶ月立たないうちに本になった。

切ない。読まなきゃよかったかな、と思う。あのわがままな、自分流を貫いた談志が、どんなに辛かっただろうと思うと苦しい。

著者である娘や、息子、妻が頑張るのは当然としても、それ以外の人たちも、みんな心をこめて談志を看病していたんだな、と思う。
愛されてたんだ。

声を失ってから、人に会わないようにしていた、元気な頃のイメージを持って欲しかった、という。
前は、そんなの勝手だ、最後に会いたいって思う人だっているのに、と考えていたけど、談志は、元気な談志でいたかったんだろう。
気持ちがわかった。

病状が進んで、ひどい状態になっても、かなりあとまで原稿を書いていたことがわかる。
そういえば、山口瞳も、ギリギリまで連載を書いていたっけ。

心や、魂はどこへいくのかな。
どこかで、幸せに、笑っているといい。

2012/2/17