タリン、ヘルシンキ旅行記 3

タリン、ヘルシンキ旅行記 3

2021年7月24日

時差ボケのためか早朝に目が覚める。朝食開始まで時間があるので、ホテル近くの公園に散歩に出る。
車も人もあまリ通らない道を行くと公園に出る。遊具というよりは健康器具らしき物でちょっと遊ぶ。

広い芝生の上に、寝っ転がった石像がいた。


ホテルに戻り、朝食。昨夜通り、サラダはかなり大ざっぱで、ドレッシングらしきものが見当たらない。黄色いどろっとした物体があったので、これがそうかと盛大にかけたら、なんとニシンの酢漬けというか、マスタード漬け(でも辛くない)のようなものであった。意外に美味しい。それ以外は割と普通のビュッフェであった。

さて、ロビーに集合して、旧市街の観光に出発である。小さな町なので、徒歩で巡る。ガイドは「シシイさん」という日本語の堪能な女性。彼女は伸縮ボールペンの上にエストニア国旗をつけていて、これが目印。エストニア国旗は、上から青、黒、白。青は、空、海などの水と希望を、黒は大地と暗黒時代の歴史の記憶を、白は雪と幸福を表しているそうだ。

旧市街は城壁で囲まれていて、ホテルはそのすぐ外側にある。昨日も歩いたショッピングモールへの道を歩く。昨日ライトアップされていた「のっぽのヘルマン」のあるトームペア城。


いま見えているのは裏側。表側はこれと同じ建物とは思えない姿をしているので、よく見て覚えておくようにと言われる。

旧市街に入る。石畳の坂道を歩く。ぐるっと回って、さっきの国会議事堂を表から見ると、なんとまあ。

城は基本的には13世紀ころに建てられたらしいが、18世紀にこの地を支配したエカチェリーナ2世の好みで表はこんなふうに改修されたとか。今は国会議事堂として利用されているそうだ。観光客が多く、道は狭い。国会に向かう議員さんはここに車で入ってくるのだが、なかなか中に入れない。我慢強く人の波が切れるのを待っていた車を指して「あれに乗っていったのは市長さんでしたね」なんてシシィさんが教えてくれる。

ロシア正教の教会や、ルター派の教会などをめぐる。ロシア正教の教会は、権力のシンボルなので、派手派手で、街のどこからも見えるように造られるという。実際、この教会は、街のどこからも塔の先端が見えていた。

エストニアは、ロシアやフィンランドやソ連などに次々に支配され、それに耐えてきた国である。ロシアからはロシア正教を、フィンランドからは最初カソリック、続いて宗教革命を経てプロテスタントを信ぜよと押し付けられ、ソ連の時代は宗教はだめよと言われ、はいはいと聞いていた結果、信仰心は薄れ、教会に通うのは、いわば「習慣」であるという。宗教心については、日本人に通じるものがあるかもしれませんね、とシシィさん。興味深い解説である。

そこから、旧市街が一望できる展望台へ。美しい街が広がっていた。

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2017/10/16