千の輝く太陽

千の輝く太陽

2021年7月24日

「千の輝く太陽」 カーレド・ホッセイニ

ずっしりと重たい本でした。
今、世界で最も読まれている作家の最新ベストセラーなんだそうです。
知らなかった・・・。

アフガニスタンの二人の女性を中心としたお話です。
女性は、どうしてこんなに苦しいのだろう・・・。と、深く深く沈みこんでしまいます。

女よ、聞け。
常に家の中にとどまれ。女が目的もなく通りを歩くのは、正しい行いではない。外出するときは、マハラムのー男の近親者のー付き添いを要する。独りで通りを歩く女は打たれ、家に帰される。
いかなる場合も顔を見せてはならない。外出時にがブルカを着用せよ。従わない者は厳しく 打たれる。
化粧品を禁止する。
宝飾を禁止する。
華美な服装をしてはならない。
話しかけられずに話してはならない。
男の目を見てはならない。
公の場で笑ってはならない。笑うものは打たれる。
爪を塗ってはならない。塗る者は指を失う。
少女が学校へ行くことを禁止する。少女のための学校は直ちに閉鎖される。
女は、働いてはならない。
姦通した女は、死ぬまで石で打たれる。
聞け。よく聞け。そして従え。アッラーフ・アクバル!

(「千の輝く太陽」 カーレド・ホッセイニ より引用)

このタリバンの言葉が、日本の国に適用されたら、ほぼ全員の女性が、罰せられることになるのではないかしら。
ここまで女性を抑圧しないと安心して生きていけない男性って、なんて臆病で弱いものなのかしら。

私は、化粧をしたり装ったり爪を塗ったりするのはしないでも生きていけるけれど、通りを一人で自由に歩いたり、人前で笑ったり、話しかける前に話したり、男の目を見てはいけなかったりしたら、多分、生きてはいけない。生きていても、私そのものは、実は、死んでしまっているのだと思う。

そんな風に女を生きながら殺す社会では、男にとっても、幸せな人生が送れるとは思えない。

こんな風に、女である私が書くことが、既に、神を冒涜する犯罪行為なのだろうか。
わからない。
本当に、わからない。

2009/7/10