悶絶スパイラル

悶絶スパイラル

2021年7月24日

164
「悶絶スパイラル」 三浦しをん 新潮社

図書館から夫に予約本が入ったというお知らせメールが来た。題名を確認したら「悶絶スパイラル」って・・・・一体どういうジャンル?と不思議になる。夫に確認すると、全く覚えていない、と困惑気味。とりあえず取りに行ってみると、電車の中で読むのはかなり恥ずかしいぞ、という派手な表紙。三浦しをんか・・・うーむ。で、夫、読みましたよ。読みながら、「三浦しをんって、とんでもない奴だったんだな」とか「もっと真面目な人だと思ってた」とか「『舟を編む』は、お仕事で書いたのか・・・」とか呻いていた。夫、三浦しをんに何か幻想を抱いていたのだろうか。

私も読んでみたら、あらま、面白いじゃないの。三浦しをんのBL(ボーイズラブ)好きは知っていたし、彼女のノリは、基本、理解できるし、好きだわ。ふざけた奴だって夫は言ってたけど、人間って多面的なものだしねえ。そもそも本屋さん大賞でもらった図書券をすべて漫画に使い切りたいと言っていた三浦しをんだもの、漫画に命をかける姿勢はわかりきっていたはず。私も漫画、好きだし、わかるわー。

などなど言っていたら、だと思った、サワキは喜ぶと思ったよ、と夫はブツブツ。どうも夫は真面目で可憐な文学少女を想像していたらしい。気の毒に。

というわけで、この本は、仕事したくない、遊びたい、飲みたい、寝ていたい、漫画に溺れたい、という欲望の嵐の中でぐだぐだ暮らす三浦しをんのエッセイ集なのでした。「ジョジョの奇妙な冒険』にどっぷりハマるしをんさんとその弟の関係性が笑える。

2013/1/13