新・トルコで私も考えた2020

2021年7月24日

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「新・トルコで私も考えた2020」高橋由佳利 集英社

この題名の漫画は九冊目だそうだ。我が家の本棚には一、二、四巻がある。第一巻が1996年だったから、随分と長く続いていたのだなあ。知らなかった。

作者は二十歳でデビューした漫画家で、1992年、32歳のときに仕事に行き詰まり、海外逃亡を図った。そこで出会ったのがトルコである。トルコに長期滞在を続ける内に旅行会社にいたトルコ人の夫と知り合い、結婚。日本に帰って出産子育てもし、数年前から夫がトルコで仕事を始め、息子は社会人として独り立ちし、作者は日本とトルコを行ったり来たりするようになったという。長い年月があったのだなあ。私が読んだことのある漫画の範囲では、まだ息子のケナンくんは赤ちゃんから、せいぜい小学校低学年程度だったのに。作者も還暦だというし、私も老けるわけだわ。

トルコにいつか行ってみたい。ボスボラス海峡を渡る船の上でサバサンドを食べたい。どこかの店先で、甘い甘いチャイを飲みたい。伸びるドンドルマ(トルコアイス)も食べたい。カッパドキアにもトプカピ宮殿にも行きたい。最近では「迷宮グルメ」という番組で、お笑い芸人のヒロシがやたらとトルコの町並みに馴染んでいて、羨ましかったっけ。

この本は、2020年に姪っ子の結婚のために作者がトルコを訪れたときの話が中心になっている。一時期、騒乱状態にあったトルコの町も、随分と落ち着いてきたようだ。が、コロナが、コロナが・・・・。生きている内に、トルコに行けるかなあ、と嘆息してしまう。

どこにもいけないと思うと、家にいるだけで息が詰まってくる。旅に出たい。知らない街を歩いてみたい。そう思っては、海外を歩き回る本を探して読んでしまう今日このごろである。

2020/7/1