日本戦後史論

2021年7月24日

「日本戦後史論」内田樹 白井聡 徳間書店

 

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内田樹センセイはたくさん読んできたが、白井聡氏は初めてであった。なかなか過激な物言いをするので驚いてしまった。昭和天皇に関する発言など、読む人が読んだら大変なことになるのではないか・・・と少々恐ろしくなった。まあ、最近はこれで刺されるということもなくなったのだなあ。
 
敗戦処理の問題、忖度するということ、そして対米従属論。印象に残ったのはその辺りである。それにしても内田センセイが自衛隊に三回も招かれて講演を行っているとは知らなんだ。フロントラインにいる人達は、政治的に正しい意見を聞きたいのではなく、ほんとうの話が聞きたいのだ、という説明には納得する。そういえば、鶴見俊輔も戦中に東南アジアで敵国のラジオ放送を傍受して、本当の戦局を軍向けの新聞にする仕事をしていたっけ。大本営発表が嘘っぱちだらけなので、敵国の放送で「ほんとうのこと」を調べて、それを軍が参考にしていたって・・・同じじゃないか。
 
 

2015/9/1