本と鍵の季節

本と鍵の季節

2021年7月24日

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「本と鍵の季節」米澤穂信 集英社

「いまさら翼と言われても」以来の米澤穂信である。色調、世界観はいつも変わらない。

あれだ、男子同士の友情ってのは、女子とは違うのかね?女は、仲良くなっちゃうと、わりになんでもあけすけに喋り合っちゃうし、距離が縮まっていくものなのだけど、男は、いつまでも遠くから黙って見合っているのかね。そのあたりは、おばちゃん、わからんよ。

堀川次郎と松倉詩門は同じ図書委員で、誰もいない図書室で当番をしている。そこへいろいろな謎を持ち込む人間がいて、ホームズとワトソンみたいに、二人で謎を解いていく。結構な実力を誇る二人なのだが、そして、いつも一緒にいるみたいなのに、距離が縮まらない。いつも相手を慮って、適度な距離から、言いたくなさそうなことは聞かない、聞きたくなさそうなことは言わない。

そんな二人の関係が、最後の章では、ゆらぐ。そこからどうなるのか、が気になるところだが、作者ってば・・・・。まあ、読んでみて。面白いから。

2019/2/14