いつか深い穴に落ちるまで

2021年7月24日

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「いつか深い穴に落ちるまで」山野辺太郎 河出書房新社

 

第55回文藝賞受賞作だって。うーむ。ツッコミどころは山ほどあるが、この真面目っぷりは何なんだろう。これこそが小説というものなのかもしれない、と思ったり、ふざけとんのか、と思ったり。忙しいぞ。
 
戦後から現在まで続く秘密プロジェクトがあった。日本ブラジル間の最短ルートを穴をほって作る。ってなにそれ。でも、本当に作っちゃうのよね。主人公は、そのプロジェクトの広報担当。と言っても、秘密だからね。ただただ、あったことを内密に記録し続ける。その間に、歴史は動く。いろんな事が起きる。穴ほってたら温泉でちゃった、とか「王子様級」(!)の要人を案内するはずだったこととか、ブラジルの広報の女性との淡い恋とか。
 
そして、ラスト。何だこれ、と思う。思うが、こうやって終わらせるしかなかったのかも。うーむ。読んだ人、感想聞かせてほしいなあ。変だけど、小説って、本来こういうものかも、と思ったりもした。

2019/2/14