琵琶湖 その3

琵琶湖 その3

2021年7月24日

船は、行きほどには揺れません。風が治まってきたのかな。さっきは船室内に座って行きましたが、今度はデッキに出て、金属製の階段に座り込みます。水がすぐ近くにあって、風があたって、気持ちがいい。さっき土器を投げた鳥居が見えます。昔、蓮華会の時は、神主さんや氏子たちは、その鳥居の方に船をつけて上陸したんだそうです。

遠くに、富士山みたいに形のいい山が見えます。あれは、なんという山だろう。湖は本当に広くて、海みたいです。

おみやげ屋さんや神主さんたちは、竹生島に住んでいるのかなあ、という話になります。子どもたちは、学校をどうするのかしら。もしかしたら、これに乗って通ってるのかも。うーん、それも大変だなあ。逆に、お店の人たちが、これで出勤しているのかもしれないよ。夜は対岸の家に帰って。波がひどい時だけ、泊まるのかなあ・・・。

なんて話している内に、行きに見えた大きな像が見えてきました。ああ、もうついちゃうのね。ちょっと残念な気もします。

船を降りて、長浜の街に向かいます。春は見事だろうと思われる桜の茂る公園の横を通ってしばらく行くと、レトロな建物が見えました。長浜鉄道スクエア。現存する最古の鉄道駅舎なんですって。特に鉄ちゃんでもない我々は、今ひとつその価値を感じずに通りすぎてしまって、ごめんなさい。

真っすぐ行って、小さな川を渡ったところに、長浜浪漫ビール。地ビールの醸造所兼レストランです。

うん、ここの価値ならわかるわ。お昼は鯖そうめんと決めているので、軽く一杯ひっかけるだけにしようと、カウンターに座ります。実は私、このところずっと禁酒しているのです。でも、せっかくだから、小さなテイスティンググラスに一杯だけね。私は長浜エール、夫は黒壁スタウト。丁寧に入れられたエールは軽くて飲みやすく、スタウトは、重く、どっしり。どちらも美味しいったらない。久々のビールは身にしみました。

それから、すぐ先を左に曲がって、そこが北国街道ですって。北へ向かえば、開智学校という古い建物が、カフェとして再利用されています。趣深い風景です。

更にしばらく行って、「翼果楼(よかろ)」という先鯖そうめんのお店へ。表通りに入り口がなくて、入り方に一瞬迷いました。横の路地から入るのね。

焼き鯖そうめんと、焼き鯖寿司のセットを注文。焼き鯖そうめんは、茶色く煮染めたそうめんで、添えられた鯖がほろっとして柔らかい。焼き鯖寿司も良いお味。鯖好きの私にはたまらない味でした。さっきのおじいさん、ここで食べたのかなあ。

お勘定場には、たくさんの著名人の色紙が飾ってありました。あの人も、その人も、ここで食べたのねえ。

更に先へ進むと、黒壁ガラス館。色々なガラス製品が展示してあります。小樽のガラス館を思い出しました。綺麗な器やアクセサリが所狭しと飾られていて、例によって、こんなにあると、私、物欲がどっかへ行っちゃって、欲しい気持ちが全然湧いて来ません。ただただ、うっとり眺めてしまいました。

もう少し、どこか観る?と聞かれたのですが、時間を見ると、そろそろ帰らないとおちびの帰宅に間に合いそうにありません。というわけで、長浜の駅に戻りました。運よく、乗り換えなしで尼崎方面まで行く列車が止まっていたので、それに座って、ぐっすり。そろそろおしりが痛くなる大阪で、下車しました。

JR大阪駅の新しい駅ビルで、町村カマンベールチーズスフレをおみやげに買って、帰宅しました。ああ、楽しかった。

2012/5/16