配達されたい私たち

配達されたい私たち

2021年7月24日

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「配達されたい私たち」 一色伸幸 小学館

「私をスキーに連れてって」の脚本家、と書くと一番わかり易いかな。我が家ではその昔、「宇宙船サジタリウス」というアニメがお気に入りだったのだけど、それを書いたのもこの人なのでした。

作者は、「うちから帰って参りました」という本も書いていて、実はうつ病だったことも知っている。この「配達されたい私たち」は、うつを病む男性が、廃墟で、七年前の配達されていない七通の手紙を見つけ、それを配達して回る話。一つ一つのエピソードはそれなりに惹きつけるものがあって面白いし、いかにも連続ドラマになりそうな展開だ。でも、このエンディングはどうなんだろう。ちょっと首を傾げてしまう。

それから、一箇所、女の子に「ちょっとだけ」というエピソードは、非常に不愉快で、それ以降、読むのをやめようかと思ったほどだった。気にならない人は、気にならないのだろうけれど。

2013/5/27