100万回生きたねこ

100万回生きたねこ

2021年7月24日

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「100万回生きたねこ」佐野洋子 講談社

 

最近、地元の図書館の児童書読書会に参加している。11月のテーマは佐野洋子だ。それで、佐野さんの絵本を何冊も読んでいる。
 
この本は、言わずと知れた大ロングセラー絵本だ。佐野洋子の絵本といえばこれ、というくらいの大定番だ。
 
若い頃これを読んで、ふーんと思っただけだったのを覚えている。子どもが読んでもわからんよなあ、なんて思った。いや、わからんのは子どもではない、その時の私だってわからなかったのだ。と、今は思う。この絵本の意味がわかるのは、まさしく大人になってからだ。もちろん、子どもも楽しめるだろうけれど、本当にわかるのは、もっともっと後だ。
 
「おれは、100万回も・・・」といいかけて、「そばに いても いいかい」とたずねたねこ。「ええ。」とこたえる白いねこは、なんて美しいんだろう。
 
50歳を過ぎて読むと、この絵本は、若々しい。あふれる祈りと力に満ちている。読む年代によって、受け取るものがこんなにも違う絵本だったのか、と改めて驚いてしまった。

2014/10/26