夏日狂想

1 窪美澄 新潮社 窪美澄は「朔が満ちる」以来である。この作品は、中原中也(作中では水本正太郎)と小林秀雄(作中では片岡武雄)が奪い合った女性がモデルとなって…

仕事でも、仕事じゃなくても

157 よしながふみ フィルムアート社 よしながふみへのロングインタビューをまとめた本。よしながふみも良いが、聞き手の山本文子も素晴らしい。 幼少期から、小、…

さよなら、野口健

155 小林元喜 集英社インターナショナル 野口健って何なんだろう、と思っていた。七大陸最高峰世界最年少登頂の記録を持ち、富士山やエベレストで清掃活動をし、ネ…

江分利満家の崩壊

136 山口正介 新潮社 「瞳さんと」の山口治子を看取った、息子の正介氏が書いた本。この人が、父親の山口瞳の最期を描いた「ぼくの父はこうして死んだ」も読んだこ…

瞳さんと

130 山口治子 聞き書き 中島茂信 小学館 山口瞳。十数年前に、結構はまって何冊も読んだ。日常のエッセイが多かった。「血族」では母親の実家が遊郭だったという…

虚業成れりー「呼び屋」神彰の生涯

121 大島幹雄 岩波書店 「ルコネサンス」に登場した、有吉佐和子の元夫にして有吉玉青の父、神彰の生涯を追った本。日本の敗戦から高度成長期にかけて、ドン・コザ…

高野長英(鶴見俊輔集 続3)

120 鶴見俊輔 筑摩書房 「昭和を語る 鶴見俊輔座談」以来の鶴見俊輔である。彼を信頼し、尊敬しながら、学者としての功績を実はほとんど知らない私である。全集は…

奇跡

113 林真理子 講談社 この物語は、梨園(歌舞伎役者の世界)の妻が世界的な写真家と出会って、役者となる息子を育てながら婚家を離れ、写真家と再婚し、再婚相手が…

最後の角川春樹

71 伊藤彰彦 毎日新聞出版 角川春樹という人物に、そもそもあまり興味はない。私は、もともとそんなに映画は見ない。ただ、文庫本には若いころからずっとお世話にな…