うぐいす たんぽぽ色のリボン

うぐいす たんぽぽ色のリボン

2021年7月24日

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「うぐいす」安房直子 小峰書店

鶴の恩返しのうぐいす版みたいなお話。
年取ってお疲れ気味の老医師と老看護婦のところへ、以前怪我を治してあげたうぐいすが看護婦見習いとしてやってくる。歌がうまくて、患者さんたちも一緒に歌うと元気が出る。でも、ある日、彼女は恋をしていなくなってしまう。でも、しばらくしたら、娘たちがたくさんやってきてくれた。

優しく暖かな物語。と言うんだろうなあ。感想としては。でも、ありきたりでそんなに面白くない。と私は思ってしまう。絵もきれいなんだけどね。

13「たんぽぽ色のリボン」 安房直子 小峰書店

昔ながらの文房具店は、洒落た新しい街の文具店に負けちゃってお客が減ってるんだけど、ある日、たんぽぽが黄色いきれいなリボンを持ってきてくれて、商品を全部リボンで飾る。するとたくさんお客さんが来て、また活気を取り戻す。でもしばらくしたら、店主は疲れてきて、またお客も減ってしまう。そこへたんぽぽがまたやってきて、蒲公英色のリボンでなわとびをこしらえてくれて、店主はそれでなわとびをしながら空へ空へと上っていく・・・・。

安房直子さんは、こうなんだよなあ。あっちの世界へ行っちゃうお話をよく書く。そして、それはちょっと悲しいけれどとても美しい道行きだったりする。それを書く必然性が彼女の中にはあったのだろうけれど、いったい読者である子どもたちに何を伝えたいと思っていたんだろうか。物悲しい雰囲気だけが残って、例によって私は途方に暮れるばかりだ。

2015/4/22