コッケモーモー!

コッケモーモー!

2021年7月24日

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「コッケモーモー!」

ジュリエット・ダラス=コンテ文 アリソン・バートレット絵  徳間書店

 

もう長いこと、読み聞かせをしていないなあ。3年ほど前、東京から北関東に引っ越して、それまで関わっていた小学校の読み聞かせを離れて以来だ。こちらでもどこかのサークルに所属しようかと思っていたが、父の認知症、入院、そして亡くなって母の一人暮らしが始まり・・・と、実家と行き来することが多くて先延ばしにしていた。この春には東京に戻る予定だったので、そこでまた前の小学校に読み聞かせに行こうなんて考えていたのだが、コロナ禍が始まり、思いがけずにこの地に住み続けることとなり。いくつか読み聞かせサークルはあるらしいのだが、現状では密になり、飛沫を飛ばす危険性のある読み聞かせに、積極的に関わるわけにも行かず。寂しいなあ。なんて考えてしまったのは、この絵本が、読み聞かせたら楽しそうだったからだ。
 
内容はシンプル。ある朝、おんどりが起きてすぐに朝を告げようとしたら、鳴き方をわすれてしまっていた、というお話。うしのまえでは「コッケモーモー」、あひるのまえでは「コッケガーガー」、ぶたのまえでは「コッケブーブー」・・・。すっかり悲しくなったのだけれど、夜、めんどりごやをねらっているきつねを発見。「コッケモーモー、コッケガーガー、コッケブーブー!!」と大騒ぎしたらみんなも出てきてきつねを追い払えて、ついうれしくなったおんどりは「コッケコッコー!」と鳴きましたとさ。
 
これはねえ。鳴き声を、子どもたちと一緒に唱和できる絵本ですよ。絵もはっきりしていて、遠くからも見やすそう。ああ、「コッケモーモー!」という子どもたちの大きな声
が聞きたい。一緒に大笑いしたい。最後にみんなで「コッケコッコー!」と叫びたい。飛沫がとんでも、気にしないでさ。
 
と、遠い目をして思ってしまった、そんな絵本でした。

2020/12/23