ザ・マンガホニャララ21世紀の漫画論

ザ・マンガホニャララ21世紀の漫画論

2021年7月24日

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「ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論」ブルボン小林 クラーケン

「マンガホニャララ・ロワイヤル」の続編である。週刊文春の連載2013年からの五年分に加筆が入ったもの。漫画の情報がどどどーん、と入っているのだが、なぜか前作ほど「読みたい!」と思う漫画に出会わない気がする。情報量が多すぎるからか。

そんなことより、その間にブルボン小林に、中年になってからのはじめての子が誕生して「なんでこんなにかわいいのかよ」みたいなつぶやきが随所に入っているのに笑ってしまう。近所の武蔵関駅構内の書店に「作者が近所に住んでいる」だけの理由で平積みにされている漫画を見つけて「じゃあ、俺の本も平積みにしろよ」とつぶやいたら、翌週、ポップ付きで平積みにされていた、みたいなどうでもいいエピソードのほうが楽しめてしまう。これって、読み手(私)に問題があるのか?

評価したいのは、「一票も入らなかったベスト漫画」という記事で、田房永子を選んでいることだ。田房永子は、私もこのブログで取り上げた、毒母関連の漫画「母がしんどい」の作者である。こういう漫画は社会問題の書棚に入れられてしまい、漫画通は取り上げたがらない。でも、漫画としても、一定の評価はされるべきだと思う。ブルボン小林は、ちゃんとそのあたりを汲んでいる。そういうところの公平さがいい。

何にせよ、そろそろ漫画もちゃんと読んでおきたいなー、と思いつつ、追いつかない今日このごろである。活字の本が、山積みなんだもの。せっかく目もクリアになったし、これから頑張って読むぞ、と一応、書いておこう。

2019/2/28