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「ファミリーデイズ」瀬尾まいこ 集英社
「戸村飯店青春100連発」の瀬尾まいこのエッセイである。エッセイもいいよ、と聞いたので借りてきて、旅先で夫が先に読んだ。どうだった、と聞いたら「親バカ話だった」と。たしかに、そうだった。
中学の教師をしていた筆者が婦人科系の病気をして、子どもを持つのが難しいと言われ、それなら、と保育士の資格をとったのだけれど、それと前後して結婚したら、なんと妊娠しちゃった!のである。そして、生まれた娘との楽しい日々。それが全てである。
特筆すべきは、筆者の夫の能天気さ爆発である。寝るのが大好きで、出勤前にすべて準備を整えてから五分間爆睡する!!ってなに。暇さえあれば、すやすや眠る。すごいなあ、と思いながら読んでいたら、夫が「サワキにそっくりだ」と。まあ、私も寝るのは好きだけどさ。
親ばかはなしと言えば、「探検家とペネロペちゃん」もそうだったが、あっちが理屈ばっかりこねて自己完結していたのに比べて、これはちゃんと子どもと向き合って、認めて受け入れて周囲とも関わり合って実行が伴っていて、よほど読んでいて気持ちがいい。と思った。
2019/12/18