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「ロマンス」 柳広司 文藝春秋
「ジョーカー・ゲーム」が面白かったので、図書館でこの本を発見、すぐに借りた。うーむ・・・・。ロシアの没落貴族のクォーターである華族の男性が主人公。しょっぱなに起きる殺人事件をめぐるミステリなのだが。
主題は犯人探しというよりは、人間模様というべきかな。
主人公の苦悩は、思いがけない方向に進んでいって、いっときは、おお、そんな解決法へ行くの?それって危険思想・・・ってか、こういう本が書けるようになったんだなあ、日本、なんてちょっと思ったりして。そこまで考えることはないんだろうけど、結構、タブー。
ま、結局、タブーへそれ以上は突入しないんですがね。
だけど、なんだか今ひとつ楽しめないのは、なぜ。
わからんけど、ひとつには、女性が書けていないからじゃないかと私は思ってしまう。
物語のキイを担う女性の姿が、全然見えてこないんだもの。
ちょっと残念だったな。
2011/9/13