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「傘寿まり子」１～５巻 おざわゆき 講談社
「よつばと！」や「キングダム」と一緒に借りてきた漫画。１０冊まとめて借りるとお得というだけで選ばれた五冊。まだ続巻があります。
まり子さんは御年八十歳。老女流小説家であります。小さな家に、息子夫婦、それに孫ができちゃった結婚をして、読ん世代がひしめき合っての生活。家が手狭で改築しようという計画が密かに進んでいたのだけれど、まり子さんの部屋を作るのが大変・・・というぐちを聞いちゃったまり子さんは家出します。収入は多少ある、年金もある。老ホームレス生活の始まりです。ホテルに一泊した後は、昔恋い焦がれた人の家に転がり込んだり、ネットカフェに連泊したり。そんなさなか、執筆していた文芸誌から連載を外されることになり、ウェブ雑誌を興そうということに何故かことが運んでいく・・・。
時代性を取り混ぜながら、年をとる事の困難さも描いている異色漫画、ではありますが。でもさあ。八十歳、こんなにパワフルじゃないぜ、と思っちゃう。まあ、パワフルな八十歳も要るかもしれんが、しかし、大抵は、これだけの荷物持って歩いたら、すぐへたばっちゃう。ネットカフェやゲームなんかにすぐに対応できるとは思えないけどねえ。
老人をテーマにした小説や漫画も増えてきたけれど、本当に「老い」に直面し、向き合い、乗り越えてきた人と、頭だけで考えたり、外観から取材しただけだった人とじゃ迫力が違う様に思う。この漫画にあんまりリアリティは感じないな。目の付け所は面白いと思うけれどね。
2019/4/3