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「後妻業」黒川博行 文藝春秋
直木賞受賞第一作だそうだ。私はこの人の作品は初めてかも。
後妻業というのは、高齢者の遺産を狙って、結婚したり内縁関係に持ち込んで、相続の公正証書を作らせたら殺しちゃう犯罪だ。現実にそういう事件が報道されたのを覚えている。恐ろしいなあ。妻に先立たれた男性って、寂しくて何もできなくて、ついつい優しくされるところっといっちゃいそう。表に出ていない事件はもっとたくさんあるのだろうと思えてならない。
この作品の主人公も相当のワルだ。が、やはり本当のワルは自分では手をくださない。頭のあまり良くないワルを操る知恵のあるワルがいる。が、もっと知恵のあるワルに脅されたり、逆にさらに頭の悪いワルに、足を引っ張られたりするのね。世の常だなあ、と思う。
どうやらこの作品は映画化されるらしい。主演は大竹しのぶね。そりゃ凄いだろうなあ。大竹しのぶ祭りの映画になるだろう。見たいような、見たくないような。
2016/5/30