旅立ち

娘が、関西に引っ越しました。
 
思えば8年前、息子が北海道へ行った後、娘に「あなたがいてくれて本当に良かった。じゃないとおかあさん、寂しかったと思うわ。」と言ったものです。当時の娘は「うん、私がいて良かったね。」とにっこり。「でも、お母さん、私が大学に入って家を出たらどうするの?」と聞かれたので、「そんなのまだまだ先のことだから心配しない。」と答えたものでした。でも、あっという間だったわ。
 
転勤族の我が家です。全国を転々としました。でも、息子も娘も大学受験期には東京に住んでいたのです。日本で一番たくさん大学がある土地に住みながら、わざわざ地方を選択するうちの子達。二人とも東京の大学も受かったし、そっちでもいいんだよ、そっちの方がいいかもよ、と言ったのに。
 
いよいよ夫と二人の生活が始まります。二十数年ぶりだわ。二人になったら、いっぱい旅行しようと言い合って今まで来ました。寂しがったりしないで、二人の時間をうんと楽しもうと思います。夫がいてくれて、良かった。
 
八年前の息子の旅立ちは、我々の引っ越しと同じ時期でした。彼は、一人で北海道に旅立ち、一人ですべての引越しを片付けたのです。五月の連休に様子を見に行ったらまだ段ボールがあって、何やってるの、なんて馬鹿にしたっけ。でも、今回、娘の引っ越しを本人と我々夫婦三人がかりでやっつけて、よくわかりました。これはなかなか大変だわ。数年に一度転居して回っているので、たかだか十八歳一人の引っ越しなんてちょいのちょいのちょいだわ、と思っていたのだけれど、新しい生活を始めるのって、今まであったものを動かすだけのとはまた違った大変さがありますね。何やかやでくたびれ果てました。息子、よくやったなあ。八年後にして褒めてやりたい。
 
娘は以前に住んだことがある場所のすぐ近くに住まいを決めました。土地勘はある、友だちもいる、静かで緑の多い穏やかな土地です。ここで楽しく有意義な四年間を過ごしてほしい。そしてしっかり自立してほしい。母はもう遠くから祈るしかありません。
 
すべてが終わって、お疲れ様で有馬温泉に浸かってきたのですが、なんと露天風呂の脇の道で、段差に気が付かず、足をひねってしまいました。全部終わってからでよかったけど。いま、足首が腫れてくるぶしが見えなくなっています。くるぶしが見えるようになる頃には、私も夫婦二人の生活に慣れていることでしょう。
 
ところで、昨年度の読書冊数を総括します。2016年度は184冊でした。その前の2015年度が166冊だったから、多少は増えたのかな。遠近両用コンタクトレンズを新調したことが良かったのかもしれません。さて、次回から2017年度の読書カウントが始まります。どれくらい読めるかな。

2017/4/3