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「日本語を、取り戻す。」小田嶋隆 亜紀書房
「超・反知性主義入門」の小田嶋隆。2018年6月から2020年3月までのコラムを集めた本。つまり、ここ数年のことしか書かれていないのだが、恐ろしいほど昔のことのように感じる。もうね、世の中はどんどん変わっている。それも、悪い方に、悪い方に。
安倍政権がブイブイ言わせていた時代にほぼ重なっているのだけれど、まあ、これがひどいのね。安倍政権は、日本を明らかに悪くした。本当のことを言わなくてもいい、都合の悪いことは隠していい、証拠は消し去っていい、聞かれても答えたくないことはごまかしていい。そういう方法を、平気でとっても恥ずかしくないんだよ、と国の代表が堂々とやってのけて恥じることのなかった日々だったとすら言える。言葉が全く重んじられない時代であった。って過去形で言っちゃダメなのだけれど。
なにか具体例を書こうかと思ったけれど、それすら徒労感があって、止めた。ただ、これからこの国はどうなっていくのかな、と暗い絶望感をいだきながらも、前を向き続けようとは思っている。そんなことを改めて考えるしかない一冊であった。って、あら、私、なんにも言ってないわ。でも、これで許して。よかったら、読んで。
2021/3/22