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「映画×東京とっておき雑学ノート 本音を申せば4」
小林信彦 文藝春秋
数年前までは、週刊文春を定期購読していた。ナンシー関が亡くなる前までは、というべきかも。その後も、シーナや阿川佐和子や、そしてこの人がいるので、しばらくは読んでいたが、結局、気力が続かなくていつの間にか読むのをやめてしまった。それでも、小林信彦さんは気になるので単行本化されたものを見つけたら読むようにしている。
小林さんは偏屈で、お友達にはなりたくないようなタイプの方だが、しかし博識で腹が座っていて、見識がある。共感できるところもできないところもあるが、信頼している。もう少し関西のお笑いに寛容になってくれたらいいな、とはいつも思っているけれど。
いつもながらこの人は伊集院光を高く評価している。まだ伊集院氏が雑学番組などで名を上げる前からのことだ。今でこそ、一定の評価がされているこの人を、ただの芸人でしかなかった頃から小林氏は早々に見抜いていた。
昔の東京と、東京の演芸についてこの人以上に詳しい人はいないんじゃないかと思う。願わくばどうか長生きしていただきたい。まだまだ、読ませていただきたい。
2011/10/6