昨夜のカレー、明日のパン

昨夜のカレー、明日のパン

2021年7月24日

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「昨夜のカレー、明日のパン」木皿泉 河出書房新社

 
いいものを読んだ。そう思った。テレビドラマにもなっているそうだ。作者が脚本を書いて。見たいと思った。
 
19歳で結婚した徹子さん。数年後に夫が死んでしまい、今はギフ(義父)と二人で住んでいる。徹子には恋人もいて、プロポーズされるのだが、それに答える気持ちにはなれない。ギフとの静かな生活。隣家には、笑えなくなった元CAが住んでいる。恋人を失った山ガールと義父との登山、もっと前になくなった義母の思い出。色々なエピソードがからみ合いながら、みんな、だんだんに前に進んでいく。
 
悲しい時でも、人は笑える、幸福も感じる。生きていることの幸せ、喜び。じんわりと温かい物語だ。読んで、良かった。

2016/1/25