植物のふりした妖怪

植物のふりした妖怪

29 村田あやこ 宮田珠己 路上園芸学会

著作はとりあえず即買いの宮田珠己と、路上園芸学会の村田あやこの共著。これは本というか、ZINEなんだそうだ。ZINEの意味が分からなくて検索した。

ここ数年、新しいメディアとして注目されているZINE(ジン)。ZINEは、好きなものを自由な手法でひとつの冊子にまとめるという、新しい表現方法です。

だって。つまり、同人誌みたいなものね、と解釈するおばちゃんの私である。街角の園芸風景や植物に興味を持った村田さんが「路上園芸学会」を名乗りSNSに投稿していた。道の隙間に根差したり、構造物に絡みついてしぶとく生きる植物たち。それらの写真を見つけた宮田氏の身体に電流が走った。「自分の求めていたのはこれだ!」と直感したそうだ。旅行中に化け物のように育った植物が気になって何となく写真を撮っていた彼は、自分以外にもこんなアホなことを本気でやっている人がいることに感動したのである。というわけで連絡を取り合った二人がTwitter上で「植物のふりした妖怪」というハッシュタグをつけて、出会った妖怪たちをアップするようになった。このタグは徐々に人気が出て、多くの人が自分の見つけた妖怪をアップするようになり、今も続いている。

実際に写真を見てもらいたいなー。町には、本当に様々な妖怪たちが潜んでいて、静かにこちらを狙っているのだ。ページをめくりながら、何度も笑ってしまった。良いZINEであった。