菌世界紀行

菌世界紀行

2021年7月24日

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「菌世界紀行 誰も知らないきのこを追って」星野保 岩波書店

 

夫のおすすめ本。作者は雪腐病菌という非常にマイナーな雪の下で繁殖する菌類の研究者だ。そんな菌の研究のため、北極やシベリアやカナダや南極に調査に出かけていった話が書かれている。
 
本来なら、雪腐病菌とは何か?から始まって、その研究の過程と成果が明らかにされているはずなのだが、何故か読み終わったあとで印象に残るのは、やたらと個性的な研究者たちの生態と、シベリアでのウオッカの痛飲や南極の謎の鍼師だったりする。
 
科学者というのは変な奴らばかりなのだな、と(わが息子も思い浮かべつつ)再確認したり、大人になってもよくわからないものにマニアックに熱中して、子供か?みたいな感想が湧いてきてしまう。科学的知識や知的興奮を得る部分はそれほどなかったなあ、と思った。まあ、それも楽しいし、よろしいではないか、君。

2016/5/2