青森旅行記2 二日目(その1)

青森旅行記2 二日目(その1)

2021年7月24日

二日目は津軽半島周辺の観光です。行きたいところをバスや電車で回ろうと時刻表を調べましたが、とてもムリなことがわかったので、思い切って観光タクシーをお願いしました。八時間運転手さんと一緒って・・・とちょっと不安だったのですが、控えめで、でも必要なことはちゃんと、時には熱く教えてくれて、親切な方でした。北星交通の下山さん、どうもありがとうございました。

さて、朝八時には出発です。まず、青函トンネルの入り口広場を車上で眺めながら通ります。なんにもないところなのね。最初に降りたのは高野崎。下北半島の二つ出っ張った右側、ちょっと背の低い方の角の先っぽです。階段で海まで降りていけます。目の前に広がる津軽海峡。岩がゴツゴツして、見事な柱状節理が見えます。

そこから竜飛崎を目指します。義経が逃げたという義経寺を車上から眺め、三厩という地名の由来を聞きます。義経が夢のお告げで三頭の馬を得て、北海道に逃げてジンギスカンになったんだそうで、その馬がつながれていたという三つの穴がある岩も見えました。

龍飛崎からは北海道が遠く見える・・らしいんですが、もやっていてよく見えません。津軽海峡は、地元の人は「川」と呼ぶほど流れが早いんですって。四六時中「津軽海峡冬景色」が流れているのかと思った、と夫が言ったら、それはもうちょっと下です、と案内されたのがここ。

青森市の青函連絡船記念碑のところは一番の歌詞から始まる同じものがあるんだけど、ここは二番から始まるんです、と運転手さんがボタンを押したら、なるほど、二番から歌が流れました。

ところで「龍飛崎(たっぴさき)」なんですよ。歌詞だと「竜飛岬(たっぴみさき)」ですけど。漢字も違うし、読み方も違う。ちなみに、青函連絡船からは龍飛崎は見えないそうで、阿久悠さん、全部想像で書いたんですねえ。あとで地元の人にあんな暗い詩を書いて、と散々叱られて困惑なさったそうです。

太宰治や棟方志功が宿泊した奥谷旅館を改装した「龍飛館」で地元のお話を伺ってから、青函トンネル記念館へ。ここではケーブルカーに乗って海面下140メートルまで降り、坑道体験ができます。真っ暗な急な傾斜の穴へ黄色いケーブルカーがゴトゴトと7分間ほど降りていく・・・。怖がりの私にはそれだけで結構な恐怖体験です。

でも、降りてしまうと地下鉄の地下道みたいな気分になって落ち着きました。とは言え、このトンネルを掘るのにどれだけ苦労したか、掘り跡を直に触ると気が遠くなりそうです。構想から貫通まで42年ですって。坑道に滲み出た海水で魚を水槽に飼ってありました。

そこから今度は階段国道です。道路技師が机上で線を引っ張ったら、とても道路にはできない場所だったけれど、仕方ないからそのまま階段にしちゃった、全国でもここだけの階段国道。ただそれだけなんだけど、ちゃんと観光名所になるのが面白い。それにしても、阿久悠といい、道路技師といい、現地調査もしないで何やってんのよ。

海岸線に沿って走り、十三湖を目指します。予定より時間がかかっていて、お昼どうしますか、と聞かれました。十三湖でしじみラーメン、と思っていたのでぜひ、とお願いしたら、少し遅くなりますが、じゃあ行きましょう、と。十三湖に向かう車窓から、今度は遠く日本海が見ます。

十三湖には一時半過ぎに到着。運転手さんいわく、しじみは宍道湖が有名だけど、私は十三湖が一番だと思いますねえ、と。たしかに素晴らしいお味でした。しじみのエキスがギュッと詰まって、スープをずーっと飲み続けていたいくらい。

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2017/6/2