鳴かぬなら

おちびは、基本、アウトドア大暴れ系女子です。夏休みに入って以来、年少男児、年中女児、小2男児二人を従えて、アマゾネスのように灼熱の庭で真っ赤になって遊び狂っていましたが、先日、スクーターでカーブを曲がりそこねて、膝と足首を思いっきり擦過してしまいました。

余りに暑いので、ときどき水分摂取しに来るたび、そろそろ休みなさいと言っていたのだけど、なんの根拠もない「大丈夫」を残して、延々遊んでいましたが。

打撲には強いが、擦り傷には弱いおちび、泣きそうになって唇かみしめて、帰ってきました。
じゃあじゃあ水をかけてやると、痛い痛いと大騒ぎ。
最近じゃ、水洗いだけで、消毒しない、乾かさないが治療法の最先端らしく、ラップで覆って絆創膏を上から貼ってやりました。

という話をパルティオゼットでしたら、「キズパワーパッド」という最新型の絆創膏を勧められました。これを貼ると、浸出液を吸って、絆創膏本体が白く膨らんで、何だかすごいことになります。初めて使ったので、説明書を丁寧に読んでみたら、痛みが続いたり、黄色い膿が出たら受診しなさい、と。数日たっても、何だか痛がるし、黄色っぽい液も出てるし、まもなく南の島に旅行にも行くし、ってんで、今日は思い切って皮膚科を受診してきました。

そしたら、このままでオッケー、海も入って大丈夫、出てからキズパワーパッドを貼り替ええばいいよ、って太鼓判をもらえて、ひと安心。やれやれです。

炎天下、暑さで死にそうになりながら、おしゃべりして皮膚科まで歩きました。
話題は、「鳴かぬなら」の句、どれがいい?っての。
おちびは、「殺してしまえ」がかっこいい、って言います。
そうよね、若い頃は私もそう思ったわ。
次にいいのは「鳴かせてみせよう」なんですって。
ふん、技巧に走るのね、でも、本当は、待つのが一番お利口だし長持ちするのよ、ケツの青い奴らにゃ無理だけどね、と私。

でも、おちび自身としては
「鳴かぬなら めんどくさいし ほととぎす」
なんですって。
おとうさんなら
「鳴かぬなら 興味ないしね ほととぎす」
わたしはさしずめ
「鳴かぬなら 鳴かなきゃいいじゃん ほととぎす」
息子なら
「鳴かぬなら 鳴かない種類じゃないの ほととぎす」
でしょう、きっと。

他にも思いついたのは、

鳴かぬなら そういう日もある ほととぎす
鳴かぬなら 鳴いてどうなる ほととぎす
鳴かぬなら こっちが泣きたい ほととぎず
鳴かぬなら わけを聞かせて ほととぎす
鳴かぬなら ぜったい鳴くなよ ほととぎす
鳴かぬなら 鳴くことあるのか ほととぎす

なんて話してたら。
道に、レースの付いたピンク色の布製品が落ちてました。
ハンカチかな、落とし物だな、と思いながらそのまま放って通り過ぎたのですが。
「パンツ落ちてたよね」
と、おちび。
「ハンカチじゃないの?」
「いや、パンツだよ、ちっちゃいパンツ。あれは、履いていて落としたんだよ。」
そんなこと、あるか!第一、気がつくじゃないか。
「だから、ゴムが緩んで落ちちゃったんだけど、持ち上げるのが恥ずかしくて、そのままするんと足から落として、知らん顔して行っちゃったんだよ。スカート履いてたんだね。靴も、引っかからないほど小さくてぴったりした靴を履いてたんだと思う」
ってことは、シンデレラ?
「で、王子様が、パンツを持って探し歩くの。このパンツがぴったりの人こそ、我が后。」
誰でもはいるんじゃないの?
「でも、ちっちゃすぎて、みんな入らないの。」
ってことは、おちびはおヤセだから、入っちゃうかも。そしたら、お妃様?うーむ。

熱いと、馬鹿な話が続きますなあ。

2010/8/20