MANSAI解体新書

MANSAI解体新書

2021年7月24日

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「MANSAI 解体新書」野村萬斎 朝日新聞出版

皆様、コロナウイルス渦巻く今日このごろですが、いかがお過ごしですか。

ジムは休止、図書館は閉館、映画館は怖い。家に積んである本がどんどん減っていくので、減らさないように、ゆっくりしか読めないこの辛さ。じゃないと、また買っちゃうじゃないの。せっかく減らしたのに。

県立図書館休館の前日、久々に書棚を歩き回って発見したのがこの本。大好物の野村萬斎が満載。世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎が、さまざまなゲストを招いて舞台芸術について語り合う公演を行った、その記録。集められたゲストは超一流ばかり。

伊藤キム、河合祥一郎、吉田鋼太郎、内野儀、高萩宏、市川右近、齋藤孝、国本武春、鴨下信一、白石加代子、鎌田東二、近藤良平、川崎徹、武田双雲、佐々木正人、コロッケ、池内克史、池谷裕二、千宗屋、森村泰昌、保坂健二朗・・・。

動き、かたち、口上、シェイクスピア、ことば、俳優、振り、観察、間・・・。さまざまなテーマをもとに、ゲストと話し合い、時に体を動かし、声を出す。

これ、見に行ったら絶対面白かったなあ。しかも、毎回ゲストとテーマが変わる。全部見に行ったらたいへんなことになるなあ。その場限りじゃもったいない。あ、だから本にしたのか。納得。

野村萬斎の動きは美しい。写真がたくさん載っているが、どの場面でも、身体のすべてのパーツが、まるでここ、と決められたかのような位置にぴたりと収まっている。ただ立っているだけでこんなに美しいのか、と驚く。

彼の動きの素晴らしさには、映画「のぼうの城」で圧倒された。本業の狂言を一度も見ていないし、ストレートプレイの演劇ですら見ていない。映画と、テレビドラマだけだわ。いつかちゃんと舞台を見ないと死にきれない気がする。

ああ、それにしても、早く図書館、開館してくれい。予約した本を読みきらない内に引っ越ししちゃうじゃないか。東京の図書館は、順番が回ってくるのが遅いんだよ~。

2020/3/18