リスボン大聖堂から戻り、ホテルをチェックアウトして、空港へ行く。ヘルシンキまでは四時間ほどのフライトだが、今日はまともに飛ぶだろうか。びくびく。待ち時間にカフェで軽いランチを取る。なんとお寿司だ。ネタの魚は新鮮だけど、シャリとわさびが微妙。搭乗ゲートが決まるまでロビーのベンチで待っていたら、日本語が聞こえてきて、そばに若い女の子が二人。夫婦以外の日本語を聞くのは久しぶりだわ。

さて、飛行機は無事に飛んだ。飛んだのだが、我々の座席の後方と前方が仲間同士らしく、ベルトサインが消えると後方に集結して盛大におしゃべりが始まる。すごい大声なのよ、それが。ずーっと立ち話している。うるさくて本も読めない、寝ることもできない。よほど「Be quiet!」と言ってやろうかと思ったが、ここでけんかしても四時間気まずいし。なんだかんだで皆さん、ようやくそれぞれの席に戻った。まだ、たまに戻ってきてしゃべったりするけどさ。なんなんだ。
ヘルシンキで降りてわかったのだけれど、後方の一番奥にかなりのお年寄りの女性が座っていて、その人が一族の長老だか何だかで、皆さんその人を気遣って話しに来ていたらしい。耳が遠いのよね、だから大声だったんだ。まあ、しょうがないよなあ。でも、ほんとにうるさかった。
ヘルシンキ空港は毎度おなじみ。マイルでヨーロッパ行きのチケットを取ると、なぜかヘルシンキ経由ばっかりになる。人気がなくてすいているのかしら。でも、私はこの空港は好き。センスが良くて人が親切だから。ヘルシンキからは、これまたおなじみの空港から歩いていけるホテルへ行き、夕食もホテル内でとって、早々におやすみなさい。
翌日は、夕方の便で帰国予定なのだが、まだ時間があるので早めに宿をチェックアウトして荷物を預かってもらい、ヘルシンキ市内へ出る。電車で30分程度。切符はホームの自動販売機でクレジットカードで買える。どうやら車内でカードをピッとするだけでも大丈夫らしいが、心配なので切符購入。車窓からは雪景色。三角屋根の住宅もあって、大好きな北欧の風景だ。でもでも、外は寒い。周囲の人はみんな極寒に備えた服装で、足元もがっちり固めてある。我々もコートにマフラー、手袋もしているが、周囲に比べると、どことなく軟弱、そして寒い。

ヘルシンキ駅近く、映画「かもめ食堂」に登場したアカデミア書店に行く。書店はどこの国でも居心地がいい。マリメッコのウニッコ柄の小ぶりなノートを買う。

書店の中にあるアアルトカフェでお茶。支店が東京駅前の新丸ビルにもある。そこはなんだかセレブな感じなのだけれど、ヘルシンキ本店はカジュアルで本が見渡せて、くつろぐわー。

しばらく休んでから、街に出てムーミンショップを見学。それから、Artek Helsingforsという家具店に入る。ミュージアムみたいにセンス良く家具が並べてあって、とても素敵。

日本のミナペルホネンのスツールが置いてある。と思ったら、なんと、アレクサンダー・ジラルドのウッデンドールがずらっと飾ってあるじゃないの(冒頭写真参照)。木製の人形なんだけど、以前、東京の建築展に行ったとき、子ども部屋の仕様で飾ってあったお人形。あんまりかわいいので写真を撮ろうとしたら撮影禁止と言われちゃった。どこの何という人形が知りたくて、帰宅後ネット調べたんだけど、もう二度と会えないと思ってた。こんなところで再会できるとは。とはいえ、一体三万円近くするお人形がニ十体ほど並んでるのよね。買えない、買えない。第一、置く場所もないし。というわけで、写真だけ取らせてもらったのでした。でも、私としては彼らと出会えただけで、もう大満足。その後、有名なストックマンという百貨店も上から下までぐるっと回って、もう一度アアルトカフェに戻って、サーモンスープでランチ。そして空港に戻った・・・んだけどね。
確かに車内放送で空港だと言ったし、何人も降りたので、間違いなく空港だと思ったのに、電車が行っちゃってから「ここ、まだ空港じゃないんじゃないの?」と夫が言う。空港行の電車なのに、まだ乗客が残っていて、電車が行っちゃったってことは、空港前の何かの施設の駅かもよ、と。えええー!!すごく不安になったけど、とにかくここは地下駅なので、上がってみよう!早くしないと今度は帰国便に乗り遅れちゃう!!!と最悪の事態を想像して青くなる私。階段を上がりしな、掃除をしているお兄ちゃんがいたので「ここって空港よね!」と聞く。すると「そうだよ、上に上がると空港があるよ。」と答えてくれる。ああああー、よかった。脅かすなよー、夫。一瞬、吐き気がするほど怖かった。いっぱいいろんな悪いことが重なって、最後、これかよー、と思っちゃった。
でも、無事。宿に戻って荷物を返してもらって、空港でチェックイン。ショップでマリメッコのエコバッグをお土産に買って、ゲートに行くと、あらまあ、日本語が飛び交っている。そうなの。ヘルシンキのJAL搭乗ゲートまで行くと、いつも、ものすごくほっとする。そして、ようやく飛行機に乗って、14時間。いくつも映画を見て、ご飯も二回食べて、ちょっと寝て、ようやく帰国できたのでした。機内で夫、ひどい鼻風邪を発症して、くしゃんくしゃん、ぐしゅんぐしゅん言って苦しそうでした。と思ったら、帰国後、私も同じ症状になって、まあ、これが長くかかったこと。ひどい時差ぼけと相まって、その後、二週間以上、倒れていた私たちなのでした。
あーあ、大変な旅だった。でも、だからってもう旅はこりごり…とならないのが懲りない私たちなのよね。今度はどこへ行こうか、とすでに相談が始まっております。でも、この世界情勢ではねえ。戦争反対。絶対反対。
