ようやくカレッジに行きまして

ようやくカレッジに行きまして

37 光浦靖子 文芸春秋

「ようやくカナダに行きまして」の続編。カナダに留学中の光浦さん、ついにカレッジに入学です。公立のこのカレッジの二年コースの卒業証書を取ると、PGWPといって三年間、カナダで働く権利がもらえます。でも、高い学費を払っても、ちゃんと卒業できないとそれまでの努力は水の泡。そして、カレッジはそんなに楽な場所じゃありません。

料理を学ぶカレッジです。教えるのはシェフたちなのだけれど、一癖も二癖もある人達。いい人ばかりだといいけれど、厳しかったり意地悪だったり、いろんな人がいます。クラスメートはドメスティックなカナダ人はむしろ少なく、インターナショナルな集まりです。言葉もよくは通じない、文化も違う。光浦さん、どんだけ泣いたことか。すごく大変、でもすごく頑張って、なんか胸が熱くなります。50歳過ぎてホントよく頑張ったよ。

今東京新聞に西加奈子が連載中の「きずもの」という小説と内容が重なります。「きすもの」でも若い女性たちがカナダの永住権を得るためにすごく頑張っています。突き当たる言葉や文化の壁も似ている。そして、西さんと光浦さんはカナダの仲間です。わかるわかるー、とどっちもうなずきながら私は読んでます。

でも、光浦さんは永住権はもらえない。カナダ政府は、若くてカナダの役に立つ人じゃないと永住させたくはないんですな。あと数年で彼女は日本に戻ってくる。でも、きっと、行く前とは全然違う人になって帰ってくる。前の光浦さんも好きだったけれど、今はもっと好きだ。新たなる活躍を期待しています。(なんて言われてもなー、と光浦さんは思うだろうけどさ。)