ニッポン脱力神さま図鑑

ニッポン脱力神さま図鑑

2021年7月24日

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「ニッポン脱力神さま図鑑」宮田珠己 廣済堂出版

買ったのは随分前。ずっと積んであった。宮田珠己は、我が家では、新刊出たら即買い指定作家である。これは、宮田さん真骨頂の本。世の中の変なものを探して見つけてみんなに見せる、という基本に則っている。

南九州の田んぼの脇にちょこんと座っている田の神さあ(たのかんさあ)。津軽の村の神社の鳥居にちょこんと座っている鬼コ。国東半島周辺で見かける石造りの仁王様。鹿児島の、廃仏毀釈で一度は打ち壊された仁王どん。秋田県周辺にいる人形道祖神。佐賀、長崎周辺の肥前狛犬。

どれも素朴でちょっと変テコで、ユルい。そして、かわいい。いわゆるほっこり系の可愛らしさなどとは違う、真に迫った不気味なかわいらしさがある。

読む本というよりは、ただただ眺める本。それで、いつ読み始めていつ読み終えたという感覚がなくて、ずっと追いてあって、時々パラパラとめくって眺めていた。ついに、読み終えた、と思ったので、書いた。

こういう本を読むと、旅に出たくなるなあ。どこにも行けないもんなあ。ああ、旅に出たい。

2021/2/13