北海道室蘭市本町一丁目四十六番地

2021年7月24日

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「北海道室蘭市本町一丁目四十六番地」安田顕 幻冬舎

 

最近人気のTEAM NACSの役者、安田顕の子ども時代の父親との思い出。表題は昔住んでいた家で、今はもうこの住所はないんだそうだ。
 
そもそもTEAM NACSをよく知らないし、安田顕が出演するドラマや芝居も見たことがない。ただ、新聞だかの書評で興味を持って借りてみた。貧乏だけど仲の良い家族、とりわけその父親との思い出話。「酒はほどほどに、浴びるほど飲め」が父から得た訓示だったりする。
 
夫婦で第九を歌ったり、オペラやクラッシックが好きだったり、音楽的には恵まれた境遇だったのかな。父親は労音の事務局をやっていて収入がなくなり、溶接工に転身したというから、舞台好きだったことは間違いない。その血は、息子にちゃんと受け継がれているのだな。
 
少し前の日本の家庭の風景ってこんな感じ、と思う文章だった。

2016/3/27